都合(たやす)く消え去りはしない、こども銀行の思い出

雑記

子供時代に父親に虫取りやキャッチボールに連れて行ってもらった覚えはない。友達の父親は休みの日は子供を遊びに連れていき、楽しそうだった。テレビドラマの中の父親も自分の中の理想として刻まれていた。

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こども銀行こども店長

うちにはこども銀行があって、僕はこども店長だった。顧客は父親だけだったが、こども銀行は一応金融業なので利子を取った。借用書だってちゃんと作った。

父はパチンコが好きだったので、お金が無くなるとこども店長にお金を貸してほしいと言ってきた。

いつしか、お金を貸す事は日常となっていった。一回に貸すお金は1万円~2万円。翌月に返すといって、利子は5千円くらいもらっていたと思う。借用書には貸付日と返済日が書かれていた。

しかし、返済期限は守られる事はまれで、来月返すから、その次の月も来月返すから・・・・と一向に返してはくれない。利子は増えるので、延長を許したけど。

約束したのに・・・・とこども店長は爪をみた。

 

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言うなの禁止

父親はよく言っていた「お母さんには内緒な」と。

お金を借りた事、返せなかった事を母には言ってはいけない事を課した。

また、延長を繰り返す父に、「早く返してよと」か、「もう貸したくない」とは言えなかった。

そういうと、たちまち不機嫌になり「じゃーサラ金から借りてくるよ。怖い人が取りたてにくるからな」と言っていた。

大人になって思う事

父親はギャンブル依存症だったのだと思う。今だってそれは治っていない。

ただ、母が強かったので、生活費を入れないなどという事はなく、一家が路頭に迷う事はしなかった。しかし、こども店長がイネーブラーとなっていた事は確かだ。

こども店長は本当はどんな気持ちだったのだろう。貸したくないけど、貸さないとサラ金の

取り立てが来て、一家がバラバラになると本気で思っていた様にも思う。

自分の感情を麻痺させ、利子をもらえる、ゲームの様にこども銀行をやっていたのかもしれない。

パチンコ店で見る理想の父

僕は、パチンコを毛嫌いしていた。ギャンブルなんて最悪だと思っていた。しかし、数年前父親にパチンコに連れて行ってもらう事になった。なぜ行ってみたくなったのかよくわからないが、父親がはまったパチンコはどんなものなのか経験してみたくなったのかもしれない。

僕は生まれてから一度もパチンコをやったことがなく、入ったこともなかったので本当に初心者だったのだが、父親が手取り足取り教えてくれた。そこにいた父は子供の頃に憧れていた理想の父だった。その時はパチンコではなく、スロットをやったのだが押すタイミングなど嬉しそうに語り見本を見せてくれた。教えている事は忌み嫌っていたギャンブルであるが、子供の時、こんな風に遊びに連れてってほしかったと回顧していた。

 

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マスクされていた自分の感情

僕は本当は金貸しなんかしたくなかった。もっと子供らしく、父親に遊びに連れて行ってもらいたかったんだ。そんな感情を気づく事が出来た。失われた感情はひょんなことから蘇ってくることがある。どれも都合(たやす)すくは呼び戻せないけど、蓋をしたままで生きるのは辛い事もある。

 

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