断線 ~親愛なるものへ~

雑記

ピアノは生まれた時から家にあったから僕にとっては自然な存在だった。
小さい頃からおもちゃ代わりに弾いていたし、小学校の時数年間レッスンに通っていた時は練習が嫌で逆にあまり弾かなくなった事もあるけど、教室を辞めたあとは自分で好きに弾いて楽しんでいた。

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母国語を操る様な感覚

バイリンガルの人は憧れる。二つの言語を流暢に操れるのはかっこいいなーと思う。バイリンガルの人は言葉を切り替えて使ってるのか、普段どっちの言語で考えているのかなど興味深い。ピアノを弾く時、自分は何も考えていない。小さいころから弾いているとピアノと指と脳に回路が出来上がり、意識しなくても指が動くようになる。おそらくバイリンガルの人もそういう感じなんだろう。

家にあったピアノは母が子供の頃から使っていたピアノだったので古く、調律を頻繁にしていた。僕が中学生の頃、ピアノを新しいものにしようという話が持ち上がり新しいピアノが我が家に来た。新しいピアノは馴染みのピアノの音色とはだいぶクリアで、夢中で弾いた。2年程経ち一度調律を受ける。調律師は今まで来ていた人とは違い、若い女性であった。そして悲劇はそこから始まった。

切れる舫い綱と鋼琴

調律が終わって数日後、普通にピアノを弾いていると雷に打たれた様な音と振動がした。ピアノ線が一本断線したのである。自分は生まれてからピアノ線の断線などは経験したことがなくひどく驚いた。調律師に来てもらい、ピアノ線を直してもらう。新しいピアノなので、ピアノ線にまだ柔軟性がなかったのかもと言われ、そんなもんかなと思った。
しかし、数日後また断線、再度直してもらってもまた断線。その後1か月の間に計7回も断線があったのだ。

断線はだいたい、中島みゆきの「二隻の舟」という曲を弾いている時に起きた。この曲は大好きな曲なので、古いピアノの頃から繰り返し弾いていた。確かにこの曲はダイナミックでついつい弾く力も強くなるのだが、新しいピアノを購入後も最初の調律を受けるまではなんでもなかったので、やはりこの曲が原因というわけではないとは思った。しかし、断線はすごい音がするので結構ショックであり、しばらくこの曲は控えたりした。

ところで、この曲は中島みゆきの曲の中でも傑作だと思う。転調が多く不思議な曲だ。初めて聞いた時衝撃を受けた。この曲は「EAST ASIA」バージョンと「10wings」バージョンがあるが、後者は中盤までピアノ伴奏がメインで曲が進む。コロコロと調が変わり、楽譜の複雑さに比べこの曲は極端に黒鍵を弾く回数が少ない様に感じる。きっと、ピアノ奏者目線でアレンジしたものなのかなぁと思う。

ピアノの交換

断線の1~2回は、お客様の弾き方などの問題と言われ、そうなのかなーと思っていたがさすがに7回となると、ピアノの問題ではないかと思うようになった。
そこで、製造企業に交換をお願いできないかと伝えたが、保証期間が過ぎておりまた、ピアノ線は消耗品なので難しいとの事であった。
そこで、消費者センターにも相談し、親が交渉し、次断線が起きたら交換するというような内容となった。そして、数日以内に案の定断線が起こった。その後はスムーズに新しいピアノに取り換えてくれた。実際は少し差額を支払いグレードの少し上のピアノにかえてもらった。その後は一度も断線はない。
断線ピアノは工場で調査をしたようだった。しかし、後日開示された調査結果は原因不明との事だった。断線ピアノは今どうなってるだろう。

親愛なるピアノさん、ちょっとフォルテッシモで弾きすぎましたかねぇ。

 

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