人は寒いのと暑いのはどちらが苦手か。寒さとの闘い。

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大叔父との会話

大叔父は元自衛官でした。昔大叔父と話をしたときに寒いのと暑いのはどちらが苦手かという話になり、自分は暑いのが苦手と答えたのですが、大叔父は寒い方が厳しいに決まってる。本当の寒さは恐ろしいんだ、と強く述べていたのを思い出した。おそらく寒冷地での訓練や赴任経験があったからなのだろうか。子供の頃は冬でも半ズボンを履いていて寒さなど知らなかったように思う。大人になると寒さの方が身に染みるというのが良くわかる。

寒冷の定義

旧労働省が昭和23年の通達で「寒冷は5度以下をいう」と定義している。
寒冷環境とは熱放散が通常以上に増大し体の冷却が進行する環境の事。気温だけでなく、風速、放射温度、湿度などの環境因子によって決まり、作業者側の因子としても作業強度、作業服、防寒服の保温力も影響する。
寒冷作業場
冷凍冷蔵倉庫内や食品加工工場、夏場のオフィス作業など。冬季は屋外作業のほとんどは寒冷作業となる。

寒冷暴露と人体反応

皮膚の冷受容器が刺激され自律神経反射により皮膚欠陥が収縮し表層部の血流が減少し皮膚温が低下する。知覚神経や運動神経の伝導時間および神経筋接合部の伝導時間が遅延し筋力も低下する。関節滑駅の粘性も低温で高まるため滑らかさも阻害される。手皮膚温が約20℃で「不快な冷たさ」15℃で「極度の冷たさ」10℃で「痛み」を感じるようになり、6℃まで下がると神経の伝導ブロックが起こり感覚麻痺が生じるとともに緻密動作は不可能となる。0℃以下では凍傷が発生する。
末梢血管を収縮するため血圧は上昇する。体中心部の血液は上昇し利尿が促進される。血液の細胞間隙への移動が生じるため脱水が進行し血液濃縮が起こる。そのため血栓症や凍傷が起きやすくなる。
皮膚血管の収縮による熱放散の抑制だけでは深部体温を保てなくなると人体は代謝熱産制を増大させて体温を保持しようとする。具体的にはふるえによる筋肉の収縮で熱を発生させる。
ふるえでも対応できないほどの寒冷暴露が加わると記憶力や注意力が低下する。
深部体温が33℃以下では重い低体温症とされ極めて危険な状態となる。

対策1 作業環境管理

寒冷環境では風速が大きな因子となる。温度と風速を考慮した環境指標として等価冷却温度が寒冷環境を評価するうえで有用。
気流の強い作業場では直接作業者へ冷風がかからないように囲いを置く。手指の巧緻性を確保するために局所温風ヒーターを設置することや、接触凍傷を防ぐために金属製のハンドルや工具は直接手で触れる部分は断熱材で覆うことも重要。不可能な場合は、裁断できる休憩室を設置するなどの対策。

対策2 作業管理

寒冷作業では作業環境管理が難しいのでその分、休憩スケジュールの設定、作業休止基準、作業と休憩の方法の改善、防寒服の適切な着用などの作業管理が極めて重要。
作業強度別の連続作業時間の限度と休憩に関する基準が日本産業衛生学会からだされている。手足の痛みは凍傷の、激しい震えは低体温の危険信号と考える。疲労感、いらだち、多幸がみられたらすぐに休憩室で採暖を行う。作業服や下着が汗で濡れていたら乾いたものに交換すべき。寒冷環境では脱水が気づかぬうちに進行し末梢循環障害のリスクが高まるため温かい飲み物やスープを自由に飲めるようにしておく。(ただしコーヒーなどの利尿作用のある飲料は禁忌)

対策3 健康管理

寒冷への過敏性、寒冷アレルギーの既往、心臓血管系疾患の有無の確認。労働基準法により妊娠中の女性の多量の低体温物体の取り扱い業務または寒冷な場所における業務は禁止されている。

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