厳しい職場環境での対応と対策、低酸素環境の職場について

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酸素欠乏症及び硫化水素中毒の予防

ATPの産生には酸素が必要。また、硫化水素は酸化的リン酸化過程の酵素(シトクロームCオキシダーゼ)に対して阻害作用を持つ。また、高濃度硫化水素は呼吸中枢を刺激する。酸素欠乏症と硫化水素中毒には共通の発症機構がある。

酸素欠乏症等防止規則により次の事項が定められている。

1 酸素欠乏危険場所の事前確認
どこが酸素欠乏危険場所に該当するか、作業中に酸素欠乏空気及び硫化水素の発生、漏洩、流入のおそれはないか、酸素又は硫化水素の濃度測定等により事前に確認する。第一種酸素欠乏危険作業は酸素欠乏のみの恐れがある作業、第二種酸素欠乏危険作業は酸欠または硫化水素中毒の恐れがある作業を想定されている。

2 立ち入り禁止の表示
酸素欠乏危険場所に誤って入らないように見えやすい場所に表示する。

3 作業主任者の選任
酸素欠乏危険場所での作業を行う時には酸素欠乏危険作業主任者を選任し、作業の指揮や酸素濃度の測定を行わせる。

4 特別教育の実施
作業従事者には酸素欠乏、硫化水素中毒の防止に関する特別教育を実施する。

5 測定の実施
作業開始前に酸素濃度、硫化水素濃度を測定する。

6 換気の実施
作業場所の酸素濃度が18%以上、硫化水素濃度が10ppm以下に保たれるように喚起する。また、酸素欠乏空気、硫化水素の漏洩流入が内容にする。

7 保護具の使用
換気できない時、換気しても上記目標にできないときは送気マスク等の呼吸用保護具を装着させる。保護具は作業者の人数と同数以上を備えておく。また、墜落の恐れがある場合は墜落制止用器具を使用させる。

8 二次災害の防止
酸素欠乏災害が発生した際は、救助者には必ず空気呼吸器等または送気マスクを使用させる。墜落の恐れがある場合は墜落制止器具を使用させる。また、救助活動は単独行動はとらず、救助者と同じ装備をした監視者を配置する。

高気圧作業による障害

潜函工法や圧気工法による高圧室内業務や潜水業務では高気圧下で作業を行い、高気圧から大気圧への減圧による減圧障害、体内の酸素、窒素、二酸化炭素の分圧が高まることによる酸素中毒、窒素中毒、二酸化炭素中毒といった高気圧障害になる事がある。高気圧作業安全衛生規則により規制されている。

減圧障害

1 空気塞栓症
急に浮上したりすると肺が過膨張になり、行き場を失った肺内の空気が肺胞を傷つけ、肺の間質気種を起こす。さらに、毛細血管に空気が侵入し気泡状となって動脈を経由し脳動脈を閉塞し意識障害や脳梗塞を引き起こす。

2 減圧症
加圧により体内組織に不活性ガスの溶解量が増加し、減圧に伴い溶解していたガスが体外への排出が追い付かず気泡化し、血液循環を阻害したり、組織を圧迫してめまい、意識障害、組織の痛みなどを発生させる。

3 酸素中毒
大気圧下では酸素分圧は0.2気圧だが、1.6気圧を超える高い分圧の酸素を吸入すると中枢神経が侵される急性酸素中毒となり、嘔気、めまい、視野狭窄、呼吸困難、けいれん発作などを生じる。0.5気圧を超える分圧の酸素を長時間呼吸すると肺が冒される慢性酸素中毒となり、胸部違和感、咳、肺活量の減少などが生じる

4 窒素中毒
4気圧を超える高い分圧の窒素を吸入すると麻酔作用により酩酊状態となり、判断力が低下する。

5 二酸化炭素中毒
体内の二酸化炭素が過剰になって正常な生体機能が維持できなくなり、頭痛、めまい、発汗、意識障害などを生じる。

高圧室内業務に関わる規制

作業室の気積を労働者1人当たり4㎥以上、気閘(こう)室の床面積を1人当たり0.3㎡以上、気積を1人当たり0.6㎥以上とする。
(気積=床面積×平均の天井の高さ)
室内の圧力を表示する圧力計の設置、高圧室内作業主任者免許を受けた者から高圧室内作業主任者を選任するとともに、加圧速度を毎分0.08MPa以下にする、連絡員の常時配置等の規制がある。

潜水業務に関わる規制
送気を調節する空気層の設置、空気洗浄装置、圧力計、流量計の設置等の規制がある。
高圧室内業務と潜水業務に共通する規制
労働者への特別教育の実施、高気圧作業にかかる特殊健康診断の実施、病者の就業禁止、再圧室の設置等がある。

高圧則の改正
空気のみを使用した呼吸用ガスから酸素、窒素、ヘリウムを含む混合ガスを使用する高圧室内業務及び潜水業務に対応した規制内容に高圧則が改正された。これにより減圧停止時間は高圧則により求めることとなった。また、作業計画の作成、労働者への作業計画の周知、作業計画に定めた事項の実施記録の5年間保存等が規制された。また、平成30年の高圧則及び安衛法改正により、外国で潜水士免許を受けた者等潜水士免許を取得できる者の範囲や潜函等の内部で溶接などの作業ができる場所が見直された。

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